堺パートナーズ法律事務所弁護士による相続相談

特別受益と寄与分の適用順序について

2017.10.17

同一の相続において,特別受益者(生前に財産分与を受けた相続人)と,寄与者(被相続人の財産の維持増加に特別の寄与をした相続人)とが,別々に存在する場合,具体的相続分はどのように計算されるのでしょうか。

この点,特別受益と寄与分については,同時に適用されることが通説です。

例えば,被相続人:甲,相続人:妻A・子B・子C,相続財産6000万円,寄与分:Bにつき1200万円,生前贈与:Cに対して600万円という事案を,前提にします。

寄与分と生前贈与は同時に適用されるので,みなし相続財産は,6000万円+600万円-1200万円=5400万円となります。

そうすると,各自の具体的相続分は,以下のとおりとなります。

A:5400万円×1/2(法定相続分)=2700万円

B:5400万円×1/4(法定相続分)+1200万円(寄与分)=2550万円

C:5400万円×1/4(法定相続分)-600万円(生前贈与)=750万円